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私、普通の恋愛は無理なんです
第5章 サイドストーリー✦香織視点1
「あのな北山…………俺だってな。オヤジぃ、もおイッパイ、酒っ」
空になった徳利を私に渡す。私はマスターに手のひらを振って、「お水」と口の動きで言った。部長との飲み会は何度も出たけど、こんなに酔っぱらった部長を見たのは初めてだった。
「……部長、ねぇ、帰りましょ……?」
「俺だってな。好きで怒ってんじゃねえんだよ。なあ、分かってくださいよ。北山ちゃん……」
部長がトンと置かれたカップを取って、ひと口飲んだ。
「水なんて頼んでねえつうの。オヤジぃ!」
部長が水が入ったカップを手で払う。カウンタを滑ったカップがどこかでガチャンと音を立てた。
空になった徳利を私に渡す。私はマスターに手のひらを振って、「お水」と口の動きで言った。部長との飲み会は何度も出たけど、こんなに酔っぱらった部長を見たのは初めてだった。
「……部長、ねぇ、帰りましょ……?」
「俺だってな。好きで怒ってんじゃねえんだよ。なあ、分かってくださいよ。北山ちゃん……」
部長がトンと置かれたカップを取って、ひと口飲んだ。
「水なんて頼んでねえつうの。オヤジぃ!」
部長が水が入ったカップを手で払う。カウンタを滑ったカップがどこかでガチャンと音を立てた。