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背徳の嗜好
第17章 夫婦の情愛
―もういつの日からだろう…―
妻が私の誘いを断る様になってしまったのは…
付き合い勃ての頃は、お互い会う度に求め合い、貪る様にセックスしていたのに…
『アッ…アアッ…そ、そうよ…イッ、イイッ!イイわ!そのまま…も、もっと…速く…
もっと強く突き続けてッ!』
『アアッ…あ、歩子…ヤ、ヤバいッて…そんなに締め付けられたら…
も、もう…ガマンできないって…イッ、イキそうだってッ!』
『エッ!…ま、待ってッ!…お願いだから、まだイカないでッ!
…な、何か…わ、私もあともう少しで…』
『…あ、歩子…ダ、ダメだッ!イッ、イクッ!でッ、出るッ!アアアッ!』
『…そ、そんな…ま、また…独りで勝手にイッちゃうなんて…』
『…』
今思い返せば…回数を重ねてイクにつれ、妻を碌にマンゾクさせられず、
只、私が射精し、性欲処理するだけの独り善がりのセックスとなってイッたに違いない…
『なぁ…ココの処、あんまりエッチしてないし…今夜あたり久しぶりにしないか?』
『…ゴメン…今、そんな気分じゃないから…』
何時しか、妻は生理や体調が優れないことを口実に、私を拒むことが多くなっていった…
こうして、妻のことを上手いことイカせられず、断られることが続いてくると、
次第に私も心が折れ、自信を失い、自分から誘うことができなくなってしまっていた…
口から深い溜息が出る…
(ハァ〜…どうすりゃイイんだよ…最近は俺から誘っても、嫌な顔されるし…
こんな気まずい空気になるんじゃ、俺達もセックスレスになっていく一方じゃないか…)
心と身体に吐き出すことのできない不満と精欲が溜まってイッた…
別に、男がリードするだけじゃなくて、偶には妻の方からも誘ってくれたってイイのに…
妻も恥ずかしがらずに、もっとセックスに対して積極的になってくれたっていいのに…
ホントは俺だって、責めるだけじゃなく、もっと妻に責められてみたいのに…
俺だって、妻のコトを何とか中でイカせてあげたいって思っているのに…
けど…今のままじゃ…
このまま思い詰めて、そのうち俺の方がEDにでもなって、勃たなくなったりしたら…
それこそ今よりもっと最悪な事に…
何時しか、私はどうにか今の内にこのセックスレスの状況を少しでも改善してイキたいと、
真剣に考える様になっていた…