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背徳の嗜好
第17章 夫婦の情愛

 「エッ!じゃあ、歩子って…旦那さんとのエッチでイッたことないの?」

学生時代から仲の良かったママ友達と飲む機会があり、
酒に酔った勢いで夫婦の営みの話になったことがある…

 「…う、うん…もう少しでって感じにはなるけど…
結局、いつも中途半端に終わっちゃうから…最近はもうこのままでもイイかなって…」

 「そうやって諦めてちゃイケないわよ…夫婦にとって、重要な問題じゃない!
旦那さんとのセックスの相性が悪いとかじゃないの?」

 「…そ、そんなことないと思うけど…普通に気持ちイイって感じるから…
私の精神的なモノかも…だから、その内…何かのキッカケでイケたらとは…」

 「ねぇ、ホントにそう思ってるの?歩子の心の問題なんだったら、
何かショック療法的な新しい刺激がなきゃ、幾らヤッたって変わってイカないわよ…」

 「…」

 「でも、中でイッたことが無い人って、女の本当の悦びが解らないかもね…
私も最初は自分がおかしくなってイクのが怖くて、なかなかイケなかったけど、
色々経験を重ねてイケる様になったら、セックスのない夫婦生活なんて考えられないもの」

 「そうね…男に突かれて、繋がったまま一緒にイクのって、
手とか口とは全然違う特別な快感で満たされるっていうか…
私も最期はホントに訳が分からなくなって、モノ凄いことになっちゃうから…」

こうして私だけが中イキできない事を二人に自慢げに揶揄され、劣等感に苛まれた…

 (…そんなにモノ凄いって言うなら…私だって、セックスでイッてみたいわよ…
でも…だからって…どうすればイイの?
結婚しちゃったら、夫以外の人とはできないんだから…どうしようもないじゃない…
け、けど…このまま女の悦びを知らずに、女を終えてしまうなんて…そんなの…)

 「いっその事、旦那以外の男とシテみたら?
後腐れの無い相手なら、余計な事も考えなくて済むし…
案外、箍が外れてイケる様になるかもよ」

 「ちょっとフザけないでよ」

 「アハハハッ!そりゃ、旦那にバレた時の事を考えると…
流石にリスクが大き過ぎるわね」

こうしてこの時は笑い話で終わったが…心は大きく揺らいでいた…

 (確かに…主人じゃ、イケなそうだし…
この先ずっと独りで虚しく、オナニーで慰めることになるくらいなら…)

妻も又、夫とのセックスに不満を感じ、思い悩んでいた…
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