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ヘタレ男の夏の夜
第1章 ヘタレ男の夏の夜
花火大会当日ーーー。


Tシャツ、ハーフパンツ、頭にタオルを巻いたおっさん色満載の俺は(28だし、そこそこのおっさんだろ?)漁業組合のおじちゃんたちに混じって本部の受付にいた。


「それにしても、浩ちゃん、本当ひっさびさだな。」

「おめぇ、どんくらい帰ってなかったんだ?」

「やっさん(親父)嘆いてたぞ。一人息子の浩ちゃんが連絡寄越さんって。」


ガキの頃から、それこそ産まれたての赤ん坊の頃から知ってるおじちゃんたちにとって、俺は30手前でも十分子供のようでさっきからそんな話ばかりだ。


「しゃーねえだろ。仕事忙しくて帰れなかったんだよ。」


というのは、半分は本当だけど、残りの半分はーー…。



10年前のちょうどこの時期に原因がある。



18歳。高校最後の夏。
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