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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第4章 哀しいすれ違い
「長瀬君!」
心優が何か言おうとするのに、彼は叫んだ。
「それだけ喋れば、もう気が済んだだろ。とっとと帰ってくれよ。俺はもうあんたの顔なんか見たくないんだから」
その言葉のつぶては心優を打ちのめした。
「―」
心優の大きな瞳が潤んだのを彼は無表情に見つめていた。その瞳の奥にほんの一瞬だけほろ苦い感情がよぎったのを、心優は気づかなかった。
帰りの電車の中で、心優はずっと眼を閉じていた。さもなければ、人前にも拘わらず、大声を上げて泣いてしまいそうだったからだ。今、彼女の心は喪失感と無力感しかなかった。
彼の力になりたいと大口を叩きながら、結局、自分は何もできないまま、すごすごと逃げ帰るしかなかった。彼の心を覆い尽くす氷はどんなハンマーでも、永遠に割れない。心優がどれだけ声を嗄らして叫んだところで、彼の心には響かないのだ。
心優が何か言おうとするのに、彼は叫んだ。
「それだけ喋れば、もう気が済んだだろ。とっとと帰ってくれよ。俺はもうあんたの顔なんか見たくないんだから」
その言葉のつぶては心優を打ちのめした。
「―」
心優の大きな瞳が潤んだのを彼は無表情に見つめていた。その瞳の奥にほんの一瞬だけほろ苦い感情がよぎったのを、心優は気づかなかった。
帰りの電車の中で、心優はずっと眼を閉じていた。さもなければ、人前にも拘わらず、大声を上げて泣いてしまいそうだったからだ。今、彼女の心は喪失感と無力感しかなかった。
彼の力になりたいと大口を叩きながら、結局、自分は何もできないまま、すごすごと逃げ帰るしかなかった。彼の心を覆い尽くす氷はどんなハンマーでも、永遠に割れない。心優がどれだけ声を嗄らして叫んだところで、彼の心には響かないのだ。