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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第4章 哀しいすれ違い
―俺はもう、あんたの顔を見たくもないんだから。
 殊に最後の科白は堪えた。そして、その刹那、心優はある一つの真実に漸く気づいた。
―私はあの子に惹かれているの?
 思わず嗤ってしまいそうになった。二十四歳の教師が十七歳の教え子に恋をした。
 世間的にも道徳的にもけして許されることのない恋。しかも、自分は長瀬大翔に徹底的に嫌われてしまった。
 自分でも愚かなことだと思う。大っぴらにできない恋、仮に実ったとしても、すぐにうたかたのように消えなければならい恋なのに、相手に嫌われて落ち込むだなんて。
―馬鹿な私、よりにもよって、教え子を好きになるだなんて。
 教師として最低最悪のことをしてしまった。
 いつしか心優は泣いていた。電車の座席に座ったまま、閉じた眼からは次々と涙が糸を引いてしたたり落ちてゆく。午後六時半、車内は通勤・通学帰りらしいサラリーマンや学生でほぼ満員だ。彼らは眼を瞑ったまま泣いている心優をちらちらと見ている。
 既にかなり暗くなった初夏の空には星がまたたき始めていた。
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