この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第4章 哀しいすれ違い
―俺はもう、あんたの顔を見たくもないんだから。
殊に最後の科白は堪えた。そして、その刹那、心優はある一つの真実に漸く気づいた。
―私はあの子に惹かれているの?
思わず嗤ってしまいそうになった。二十四歳の教師が十七歳の教え子に恋をした。
世間的にも道徳的にもけして許されることのない恋。しかも、自分は長瀬大翔に徹底的に嫌われてしまった。
自分でも愚かなことだと思う。大っぴらにできない恋、仮に実ったとしても、すぐにうたかたのように消えなければならい恋なのに、相手に嫌われて落ち込むだなんて。
―馬鹿な私、よりにもよって、教え子を好きになるだなんて。
教師として最低最悪のことをしてしまった。
いつしか心優は泣いていた。電車の座席に座ったまま、閉じた眼からは次々と涙が糸を引いてしたたり落ちてゆく。午後六時半、車内は通勤・通学帰りらしいサラリーマンや学生でほぼ満員だ。彼らは眼を瞑ったまま泣いている心優をちらちらと見ている。
既にかなり暗くなった初夏の空には星がまたたき始めていた。
殊に最後の科白は堪えた。そして、その刹那、心優はある一つの真実に漸く気づいた。
―私はあの子に惹かれているの?
思わず嗤ってしまいそうになった。二十四歳の教師が十七歳の教え子に恋をした。
世間的にも道徳的にもけして許されることのない恋。しかも、自分は長瀬大翔に徹底的に嫌われてしまった。
自分でも愚かなことだと思う。大っぴらにできない恋、仮に実ったとしても、すぐにうたかたのように消えなければならい恋なのに、相手に嫌われて落ち込むだなんて。
―馬鹿な私、よりにもよって、教え子を好きになるだなんて。
教師として最低最悪のことをしてしまった。
いつしか心優は泣いていた。電車の座席に座ったまま、閉じた眼からは次々と涙が糸を引いてしたたり落ちてゆく。午後六時半、車内は通勤・通学帰りらしいサラリーマンや学生でほぼ満員だ。彼らは眼を瞑ったまま泣いている心優をちらちらと見ている。
既にかなり暗くなった初夏の空には星がまたたき始めていた。