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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第5章 禁域
 それから他愛ない話を少しして、電話は切れた。
―いつまでもめそめそするんじゃないぞ。心優は泣き虫だから、心配なんだ。ちゃんとお昼を食べて、学校に戻るんだぞ?
 電話を切る前、彼はくどいほど心優に念を押した。
 これでは、どちらが保護者か判ったものではない。心優はハンカチで涙を拭きながら思った。
 長瀬の方が泣いてばかりいる心優より、よほど大人だ。ちゃんと退学後のことももう考えている。彼ならば大丈夫だろう。きっと約束を守って、高校は卒業してくれる。これからも心優は彼の夢を全力で応援していくつもりだった。たとえ退学になっても、長瀬はずっと心優の〝担任の生徒〟だから。もちろん、生徒であるとともに、愛する男でもあるわけだけれど。
後に長瀬自身から聞いた話によれば、やはり退学の原因となった恐喝というのは嘘だったらしい。心優と過ごした翌日、長瀬は学校近くのR駅の書店まで出てきた。そこのコミック売り場でひと悶着が起きた。
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