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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第5章 禁域
「本日をもちまして、私事前橋心優は一身上の都合で退職させて頂きます」
校長が探るような眼で見つめる。
「理由は何か聞いても良いのかな」
「結婚しますので」
実に簡潔な返答に、校長はそれ以上何も踏み込んで訊ねようとはしなかった。
「それは、やはり、おめでとうと祝いを述べるべきだろう。前橋君、君は実に優秀な教師だった。君のような人材にこそ教育現場に残って貰いたいが、それが君の人生の幸せを邪魔する正当な理由にはならないからね、今までよくやってくれた、ありがとう」
もしかしたら校長は心優が誰と結婚するのかを大方は知っているのかもしれない。しかし、心優にとって最早、それは問題ではなかった。
退職は心優が決断したことだ。
―子どもが生まれるんなら、大学どころじゃないしな。ちゃんとした仕事について稼がなくちゃ。
校長が探るような眼で見つめる。
「理由は何か聞いても良いのかな」
「結婚しますので」
実に簡潔な返答に、校長はそれ以上何も踏み込んで訊ねようとはしなかった。
「それは、やはり、おめでとうと祝いを述べるべきだろう。前橋君、君は実に優秀な教師だった。君のような人材にこそ教育現場に残って貰いたいが、それが君の人生の幸せを邪魔する正当な理由にはならないからね、今までよくやってくれた、ありがとう」
もしかしたら校長は心優が誰と結婚するのかを大方は知っているのかもしれない。しかし、心優にとって最早、それは問題ではなかった。
退職は心優が決断したことだ。
―子どもが生まれるんなら、大学どころじゃないしな。ちゃんとした仕事について稼がなくちゃ。