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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第5章 禁域
むろん長瀬は最初は反対した。
―俺のために、心優の子どもの頃からの夢を諦めさせるわけにはいかない。
その一点張りだったが、心優はこれ以上、彼との親密な交際を学校側に隠しておくのは無理だと訴えた。そのため、最終的に彼も心優の退職を承知したのである。
高校教師の実務経験があれば、出産後に塾の講師の口を探すという手もある。まずは無事に身二つになってからだ。その間は心優も彼にならって、在宅でできるバイト―小中学生の通信教育の添削講師などをやるつもりだ。当座の生活費は貯金で何とかなるだろう。
「短い間でしたが、お世話になりました」
心優は丁重に頭を下げて校長室を出た。職員室に戻って、とりあえずは身の回りの荷物を纏めた。二十分ほど経過した頃のことだ。
「前橋先生」
声をかけられ、心優は眼を見開いた。
「退職されるそうですね」
―俺のために、心優の子どもの頃からの夢を諦めさせるわけにはいかない。
その一点張りだったが、心優はこれ以上、彼との親密な交際を学校側に隠しておくのは無理だと訴えた。そのため、最終的に彼も心優の退職を承知したのである。
高校教師の実務経験があれば、出産後に塾の講師の口を探すという手もある。まずは無事に身二つになってからだ。その間は心優も彼にならって、在宅でできるバイト―小中学生の通信教育の添削講師などをやるつもりだ。当座の生活費は貯金で何とかなるだろう。
「短い間でしたが、お世話になりました」
心優は丁重に頭を下げて校長室を出た。職員室に戻って、とりあえずは身の回りの荷物を纏めた。二十分ほど経過した頃のことだ。
「前橋先生」
声をかけられ、心優は眼を見開いた。
「退職されるそうですね」