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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第3章 もつれ合う心
彼の日本人離れした秀でた容貌は混血(ハーフ)だったからなのかもしれない。N電機の社長を虜にするほどなら、彼の母も美人に違いない。
「本妻にやられっ放しのお袋を見た時、俺は思ったよ。世の中には何て理不尽なことがあるんだって。俺もお袋も悪いことをしたわけじゃない。なのに、無抵抗で弱い俺たちをあの女は足蹴にした。だから、大きくなったら、自分はそういう弱い人たちを助けて力になれる仕事に就きたい、そう思った」
彼の声がかすかに震えた。少し小麦色がかった膚にひとすじの涙がつたうのを心優はその時確かに見た。
「でも、そのときはまだ良かったんだ。お袋は親父を愛していたし、親父もお袋をそれなりには大切にしていたから。ここからは恥さらしな話だけど」
彼は断ってから、淡々と告げた。
次第に父の脚が母から遠のいたこと、その淋しさから他の男と関係を持ち、それが父にバレて内縁関係を一方的に打ち切られたこと。
「本妻にやられっ放しのお袋を見た時、俺は思ったよ。世の中には何て理不尽なことがあるんだって。俺もお袋も悪いことをしたわけじゃない。なのに、無抵抗で弱い俺たちをあの女は足蹴にした。だから、大きくなったら、自分はそういう弱い人たちを助けて力になれる仕事に就きたい、そう思った」
彼の声がかすかに震えた。少し小麦色がかった膚にひとすじの涙がつたうのを心優はその時確かに見た。
「でも、そのときはまだ良かったんだ。お袋は親父を愛していたし、親父もお袋をそれなりには大切にしていたから。ここからは恥さらしな話だけど」
彼は断ってから、淡々と告げた。
次第に父の脚が母から遠のいたこと、その淋しさから他の男と関係を持ち、それが父にバレて内縁関係を一方的に打ち切られたこと。