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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第4章 哀しいすれ違い
心優は控えめに言った。
「でも、沙織さん。私は長瀬君は皆が言うような、そんな悪い子ではないと信じています。ただ、今まで色々ありすぎて、彼が頑なっていうか、自分の心を守ろうとしているんじゃないかって」
その時、心優は自分自身の言葉に愕いていた。
―長瀬が頑なになっている原因は、彼が母親を守ろうとしているからではないか。
その想いは意外にストンと心の中に落ちてきた。彼が何から母親を守ろうとしているのか? それは彼の無責任で薄情な父親でもあり、外国人の母親を偏見で見る世間一般に違いない。その中には数学教師の本井や担任の自分も間違いなく入っているはずだ。
そう考えると、途端に無性に哀しくなった。本当は誰よりも長瀬を理解し味方になりたいのに、自分は彼から敵視されていると思うと、哀しくてやり切れない。それとも、彼の担任というだけで、彼とは何の関係もない自分が彼を理解したいと考えること自体がおこがましいのだろうか。
「でも、沙織さん。私は長瀬君は皆が言うような、そんな悪い子ではないと信じています。ただ、今まで色々ありすぎて、彼が頑なっていうか、自分の心を守ろうとしているんじゃないかって」
その時、心優は自分自身の言葉に愕いていた。
―長瀬が頑なになっている原因は、彼が母親を守ろうとしているからではないか。
その想いは意外にストンと心の中に落ちてきた。彼が何から母親を守ろうとしているのか? それは彼の無責任で薄情な父親でもあり、外国人の母親を偏見で見る世間一般に違いない。その中には数学教師の本井や担任の自分も間違いなく入っているはずだ。
そう考えると、途端に無性に哀しくなった。本当は誰よりも長瀬を理解し味方になりたいのに、自分は彼から敵視されていると思うと、哀しくてやり切れない。それとも、彼の担任というだけで、彼とは何の関係もない自分が彼を理解したいと考えること自体がおこがましいのだろうか。