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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第4章 哀しいすれ違い
心優は出来るだけ誠心誠意謝った上で、彼の母に話を聞いて貰いたいと考えていた。
職員室の手前で一年の社会担当の佐藤沙織に出逢った。沙織は職員室を出てきたばかりで、これから教室に向かうらしく出席簿や歴史の教材を両腕に抱えていた。彼女は大勢いる教師の中ではいちばん近い存在だ。
「おはよう」
沙織の方から声をかけられ、心優は微笑んだ。
「おはようございます」
年代が近いとはいえ、沙織はここに来てはや四年目になるし、歳も少し上の先輩だ。やはりため口は控えたい。
「大変だったわね」
沙織は近寄ってくると、小声で囁いた。
「私が至らなくて」
心優が笑って肩を竦めると、沙織は真顔で首を振る。
「あの長瀬大翔が相手では、どんな教師でも太刀打ちはできないわよ。彼の父親がR学園に毎年、多額の寄付をしているのは知ってるでしょう? あれが続く限りは、どうにもならないわよ。だから、あの子が好き放題に学校でやってるのを私たち教師も知らんふりをしているしかないっていうわけ」
職員室の手前で一年の社会担当の佐藤沙織に出逢った。沙織は職員室を出てきたばかりで、これから教室に向かうらしく出席簿や歴史の教材を両腕に抱えていた。彼女は大勢いる教師の中ではいちばん近い存在だ。
「おはよう」
沙織の方から声をかけられ、心優は微笑んだ。
「おはようございます」
年代が近いとはいえ、沙織はここに来てはや四年目になるし、歳も少し上の先輩だ。やはりため口は控えたい。
「大変だったわね」
沙織は近寄ってくると、小声で囁いた。
「私が至らなくて」
心優が笑って肩を竦めると、沙織は真顔で首を振る。
「あの長瀬大翔が相手では、どんな教師でも太刀打ちはできないわよ。彼の父親がR学園に毎年、多額の寄付をしているのは知ってるでしょう? あれが続く限りは、どうにもならないわよ。だから、あの子が好き放題に学校でやってるのを私たち教師も知らんふりをしているしかないっていうわけ」