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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第4章 哀しいすれ違い
長瀬にも話したことをもう少し判りやすく詳しく話し終えた後、母親は難しげな表情で考え込んでいた。先刻までとは別人のような雰囲気に、心優は絶望の色に心が染まった。
恐らく、母親も彼の大学進学には理解を示さないのではと、心優が思いかけた矢先、母親が言った。
「弁護士になりたいって、あの子が言ったのよね?」
「はい」
もちろん、母親が本妻に虐げられている姿を見て彼が決意したとは語っていない。その辺りは〝自分たちのように弱い人間を助けたくて〟決意したのだと適当に話を曖昧にしていた。
母親が流暢な日本語を喋るので、彼の話はすべて嘘なのかと疑いそうになったけれど、この母親なら乗り込んできた本妻に土下座してひたすら詫び続けたろうし、長瀬は大切な母を打った本妻から母を守ろうと果敢に立ち向かっていっただろう。今なら、素直にそう信じられた。
恐らく、母親も彼の大学進学には理解を示さないのではと、心優が思いかけた矢先、母親が言った。
「弁護士になりたいって、あの子が言ったのよね?」
「はい」
もちろん、母親が本妻に虐げられている姿を見て彼が決意したとは語っていない。その辺りは〝自分たちのように弱い人間を助けたくて〟決意したのだと適当に話を曖昧にしていた。
母親が流暢な日本語を喋るので、彼の話はすべて嘘なのかと疑いそうになったけれど、この母親なら乗り込んできた本妻に土下座してひたすら詫び続けたろうし、長瀬は大切な母を打った本妻から母を守ろうと果敢に立ち向かっていっただろう。今なら、素直にそう信じられた。