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独占欲に捕らわれて
第8章 独占欲に捕らわれて
「おまたせ、チサちゃん」
紅玲はヘッドホンを取ると、千聖をベッドの上に運んだ。その間千聖はずっと口を動かしているが、声は出ていない。
「喋ろうとしない方がいいって言ったのに……」
紅玲は茶色の小瓶をカバンから出すと、再び口移しで飲ませた。
「少ししたら喋れるようになると思うから、無理しないでね」
紅玲は千聖の髪をひと撫ですると、ベルトを外していく。
「紅玲、あなた……げほっ、ごほっ……」
紅玲の言葉を無視して言葉を発すると、声は出たが未だに残る閉塞感で咳き込んでしまう。
「まったく、無理しないでって言ったそばから……」
紅玲は拘束具を外すと、千聖を抱きしめた。
「ひどい……げほっ……あなたは、ひどい人よ……」
涙ながらに訴える千聖の背中をさすり、頬にキスを落とす。
「うん、ごめんね? お水でも飲む?」
紅玲がコンビニボックスへ行こうと千聖から手を離すと、千聖はその手を力強く握った。
「チサちゃん?」
「ダメ、行かせない……。あんな女のところには……」
そこまで言って、千聖は再び咳き込む。
「大丈夫、お水持ってくるだけだから。この部屋からは出ないよ?」
紅玲は子供をあやす様に、千聖に言い聞かせる。
「本当に……? ここにいる?」
「いるって。すぐそこだから」
紅玲がコンビニボックスを指さすと、千聖はようやく手を離した。紅玲はミネラルウォーターを購入すると、キャップを外して千聖に渡した。千聖は半分近く飲むと、ペットボトルを投げ捨てて紅玲に抱きつく。
「嫌よ……。あなたは誰にも渡さないんだから……。ミチルなんかに、渡すものですか……」
(あぁ、やっぱりあの時ミチルが怒鳴ってたのは、チサちゃんだったか……。あとでお礼しなきゃなぁ)
千聖の言葉に、紅玲はミチルに再会した日のことを思い出した。そのことを確かめるのを兼ねて、ミチルと特徴が似ているデリヘル嬢を呼んだのだ。
「チサちゃんは、オレのこと好き?」
「えぇ好きよ、愛してるの……。もう変な意地張らないから、どこにも行かないで……。私のそばにいて……」
紅玲は自分にすがる千聖を抱きしめると、そっと唇を重ねた。同時に、紅玲のスマホがけたたましく鳴る。
紅玲はヘッドホンを取ると、千聖をベッドの上に運んだ。その間千聖はずっと口を動かしているが、声は出ていない。
「喋ろうとしない方がいいって言ったのに……」
紅玲は茶色の小瓶をカバンから出すと、再び口移しで飲ませた。
「少ししたら喋れるようになると思うから、無理しないでね」
紅玲は千聖の髪をひと撫ですると、ベルトを外していく。
「紅玲、あなた……げほっ、ごほっ……」
紅玲の言葉を無視して言葉を発すると、声は出たが未だに残る閉塞感で咳き込んでしまう。
「まったく、無理しないでって言ったそばから……」
紅玲は拘束具を外すと、千聖を抱きしめた。
「ひどい……げほっ……あなたは、ひどい人よ……」
涙ながらに訴える千聖の背中をさすり、頬にキスを落とす。
「うん、ごめんね? お水でも飲む?」
紅玲がコンビニボックスへ行こうと千聖から手を離すと、千聖はその手を力強く握った。
「チサちゃん?」
「ダメ、行かせない……。あんな女のところには……」
そこまで言って、千聖は再び咳き込む。
「大丈夫、お水持ってくるだけだから。この部屋からは出ないよ?」
紅玲は子供をあやす様に、千聖に言い聞かせる。
「本当に……? ここにいる?」
「いるって。すぐそこだから」
紅玲がコンビニボックスを指さすと、千聖はようやく手を離した。紅玲はミネラルウォーターを購入すると、キャップを外して千聖に渡した。千聖は半分近く飲むと、ペットボトルを投げ捨てて紅玲に抱きつく。
「嫌よ……。あなたは誰にも渡さないんだから……。ミチルなんかに、渡すものですか……」
(あぁ、やっぱりあの時ミチルが怒鳴ってたのは、チサちゃんだったか……。あとでお礼しなきゃなぁ)
千聖の言葉に、紅玲はミチルに再会した日のことを思い出した。そのことを確かめるのを兼ねて、ミチルと特徴が似ているデリヘル嬢を呼んだのだ。
「チサちゃんは、オレのこと好き?」
「えぇ好きよ、愛してるの……。もう変な意地張らないから、どこにも行かないで……。私のそばにいて……」
紅玲は自分にすがる千聖を抱きしめると、そっと唇を重ねた。同時に、紅玲のスマホがけたたましく鳴る。