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独占欲に捕らわれて
第5章 返済
その頃紅玲は、地図アプリを頼りに田舎道をひとりで歩く。
「えっと、この先の十字路を右に……。はぁ、事務所まで歩いて15分か……」
紅玲はげんなりしながら到着予定時刻をつついた。
「ま、チサちゃんのためならこれくらいなんともないけど」
そう言って口角を上げると、黙々と事務所を目指した。

15分後、紅玲は蔦に包まれた2回建ての事務所についた。
「うわーお、外観はわりとオレ好み。だけど、中身は最悪なんだろうなぁ……。あーやだやだ……」
事務所を見上げながら独り言を言っていると、事務所からスキンヘッドの男が出てきた。真っ黒なスーツに鋭い目付きのこの男は、紅玲を見つけるなりにじり寄る。

「おい兄ちゃん、ここらじゃ見ない顔だな。うちになんか用事か?」
「そうそう、大事な用事だよ。ご名答~」
睨みつけられているというのに、紅玲は怯むことなく飄々とした口調で言う。
「ふざけた態度の野郎だぜ。ま、入んな」
スキンヘッドは背を向けると、事務所に入っていく。紅玲は鼻歌を歌いながらついて行った。

事務所に入ると、廊下の両サイドにそれぞれ3つのドアが並んでいる。左手前のドアからは、男の怒鳴り声と返済期間の延長を懇願する声が聞こえる。
(おー怖い怖い。しっかしまぁ、どこにでも違法金融はあるんだねぇ)
「で、にーちゃんはいくら借りに来たんだ?」
スキンヘッドは怒鳴り声が聞こえるドアノブに手をかけながら聞いた。

「借りに来たんじゃなくて返しにきたんだよねぇ。代理人としてさ」
紅玲はスキンヘッドに、千聖から受け取ったクリアファイルを差し出した。スキンヘッドは借用書を確認すると、納得したように声を漏らす。
「へぇ、にーちゃんこのクズの知り合いか?」
「んーん。マサくんの妹ちゃんの知り合いだよ」
スキンヘッドは一瞬驚いたような顔をするが、すぐに卑しい笑みを見せる。

「まぁ返して貰えりゃ誰でもいいがね。返しに来たんならこっちだ」
スキンヘッドは向かいのドアを開けた。紅玲が入ると、後から彼も入ってきて勢いよく閉める。室内を見れば、たくさんのデスクや書類、ヤクザ達がいる。
(つまらない脅しをするね)
紅玲は内心嘲笑いながら、客用と思われるソファに座った。
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