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独占欲に捕らわれて
第6章 契約期間開始
2時間後、先に目を覚ましたのは千聖だ。見上げれば紅玲は小さな寝息を立てて眠っている。いつもはとらえどころのない表情をうかべているが、寝顔はあどけない。
(若干の可愛げがないことはないわね)
千聖は紅玲の唇についているリング状のピアスをつついた。それでも彼が起きる気配はない。

(そうだ、今のうちに……)
千聖はこっそり紅玲の腕から抜け出すと、お風呂を沸かしに行った。
「こちとらこれだけが楽しみなんだから……」
湯沸かしボタンを押して戻ると、灯りがついている。

「チサちゃん!」
紅玲は千聖の姿を見つけると、力強く抱きしめた。
「ちょっと、なんなの……?」
「あぁよかった……。起きたらいないから、帰られちゃったのかと思ったよ……」
安堵の表情を浮かべる紅玲に、千聖はため息をつく。

「ねぇ、離してもらっていい?」
「ダーメ。もう少し、オレの腕の中にいて……?」
紅玲は千聖を抱きしめなおしながら言う。
「……せめて座らせてもらえない?」
「そうだね」

紅玲は千聖の腕を引いて畳の上に行くと、千聖を再び抱きしめた。
「よかった……まだ、オレのそばにいてくれて……」
「そういう契約だもの」
千聖がピシャリと言うと、紅玲は苦笑する。

「手厳しいなぁ……。でもいつか、チサちゃんの方からオレのところに来てくれる」
「寝言は寝て言いなさいよ」
「寝言なんかじゃないよ。ところでチサちゃんは、どこに行っていたわけ?」
紅玲は千聖の躯を少し離すと、咎めるような、困惑するような目をしながら聞く。

「別に、お風呂沸かしに行ってただけよ」
「そっか。それならよかった……」
紅玲は病的な笑顔を浮かべ、千聖の頬に触れる。
(なんなの……? 薄気味悪い……)
千聖は嫌悪感を抱きながらも、顔には出さず、そっと押し殺した。

「ねぇ、キスしていい?」
「……私が断れる立場じゃないって知って言ってるの?」
千聖が睨むと、紅玲はキョトンとする。
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