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独占欲に捕らわれて
第6章 契約期間開始
「あー……横になるとダメ……。眠くなる……」
久しぶりに長時間電車に乗車していたことと、光恵のストレスで疲れたのだろう。すぐに睡魔が来てしまったので、千聖は躯を起こしてスマホをいじる。
(これからセックスしないといけないのか……。こんなに眠いのに……)
千聖は憂鬱な気持ちで、紅玲が出てくるのを待った。
5分もすると、ドライヤーの音が聞こえてくる。
(もう少しか……。やだやだ)
紅玲が立てる物音に、気が重くなっていく。
「おまたせ。どう? 似合ってる?」
髪を乾かし終えた紅玲は黒い襦袢を着て来ると、くるりと回る。色白の肌と黒い生地が引き立たせ合い、千聖は思わず彼に魅入ってしまった。
「……えぇ、まぁ……似合ってるんじゃない?」
そっけなく返すと、千聖はベッドの上に寝転んだ。
「チサちゃんにそう言ってもらえると嬉しいね。さて、それじゃあ、寝よっか……」
囁くような声に、千聖は腹を括る。
(あぁ……、ついにこんな奴と……)
「よいしょ……っと……。チサちゃんもおいで?」
紅玲はベッドに入ると、手招きをした。
「え?」
「オレ今眠いんだよねぇ。抱き枕になってくれる?」
紅玲の言葉をようやく理解した千聖は、掛け布団の上から降りると、ベッドに入った。紅玲から少し離れたところにいたが、彼は彼女を抱き寄せた。
「はぁ……あったかい……。チサちゃんにこうして添い寝してもらえるなんて、幸せだなぁ……」
見上げれば、紅玲は嬉しそうに目を細めている。
「そう、それはよかったわね」
嫌味ったらしく言うが、紅玲は無邪気にうなずく。
(こうも嫌味が通じないヤツいる?)
千聖が腹を立てるのにお構い無しに、紅玲は消灯ボタンを押した。中央の常夜灯以外が消え、昼間だというのに部屋は薄暗くなる。
「おやすみ、チサちゃん」
「えぇ、おやすみ……」
紅玲は千聖の頭を、大きな手で撫でる。
(人に撫でられるなんて何年ぶりだろ……? こんなヤツなのに、すごく落ち着く……)
紅玲の手が案外心地よく、千聖はすぐに夢の世界へ足を踏み入れた。
久しぶりに長時間電車に乗車していたことと、光恵のストレスで疲れたのだろう。すぐに睡魔が来てしまったので、千聖は躯を起こしてスマホをいじる。
(これからセックスしないといけないのか……。こんなに眠いのに……)
千聖は憂鬱な気持ちで、紅玲が出てくるのを待った。
5分もすると、ドライヤーの音が聞こえてくる。
(もう少しか……。やだやだ)
紅玲が立てる物音に、気が重くなっていく。
「おまたせ。どう? 似合ってる?」
髪を乾かし終えた紅玲は黒い襦袢を着て来ると、くるりと回る。色白の肌と黒い生地が引き立たせ合い、千聖は思わず彼に魅入ってしまった。
「……えぇ、まぁ……似合ってるんじゃない?」
そっけなく返すと、千聖はベッドの上に寝転んだ。
「チサちゃんにそう言ってもらえると嬉しいね。さて、それじゃあ、寝よっか……」
囁くような声に、千聖は腹を括る。
(あぁ……、ついにこんな奴と……)
「よいしょ……っと……。チサちゃんもおいで?」
紅玲はベッドに入ると、手招きをした。
「え?」
「オレ今眠いんだよねぇ。抱き枕になってくれる?」
紅玲の言葉をようやく理解した千聖は、掛け布団の上から降りると、ベッドに入った。紅玲から少し離れたところにいたが、彼は彼女を抱き寄せた。
「はぁ……あったかい……。チサちゃんにこうして添い寝してもらえるなんて、幸せだなぁ……」
見上げれば、紅玲は嬉しそうに目を細めている。
「そう、それはよかったわね」
嫌味ったらしく言うが、紅玲は無邪気にうなずく。
(こうも嫌味が通じないヤツいる?)
千聖が腹を立てるのにお構い無しに、紅玲は消灯ボタンを押した。中央の常夜灯以外が消え、昼間だというのに部屋は薄暗くなる。
「おやすみ、チサちゃん」
「えぇ、おやすみ……」
紅玲は千聖の頭を、大きな手で撫でる。
(人に撫でられるなんて何年ぶりだろ……? こんなヤツなのに、すごく落ち着く……)
紅玲の手が案外心地よく、千聖はすぐに夢の世界へ足を踏み入れた。