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独占欲に捕らわれて
第1章 困った親友
ファミレスに入ると、眠そうな女性店員が席に案内してくれた。
「何食べようかなぁ」
ご機嫌な優奈は、メニュー表をパラパラとめくる。
「何か軽いもの……」
食い気より眠気な千聖は、軽食を探す。
「千聖、決まった?」
「うん、決まった。モーニングトーストで」
千聖の返事を聞いた優奈は、呼び鈴を押した。すると目の下に濃いクマを作った男性店員が、注文を聞きに来る。
「チキンドリアとモーニングトースト。ドリンクバーふたつと、いちごパフェください」
優奈は千聖の分まで注文してくれる。男性店員は虚ろな目で注文を繰り返すと、厨房に消えた。
「さ、何飲む?」
「んー……あったかいお茶がいい……」
「お茶ね、オッケー」
優奈は軽い足取りで、ドリンクバーへ行く。飲食店に来た時、こうして積極的に動いてくれるのは彼女の美点だと、千聖は勝手に思っている。
「ふわぁ……ねっむ……。しっかしまぁ、朝っぱらからよくドリアやらパフェやら食べられるわね……」
千聖は優奈の注文を思い出し、呆れ返った。
「お待たせ」
優奈はメロンソーダと珈琲カップを持ってきた。カップの中にはティーバッグの煎茶が入っている。
「ありがと」
千聖はティーバッグを上下させ、抽出を急かす。
(今日は睡眠で潰れそ……)
テーブルに突っ伏したいのを我慢しながら、千聖はゆっくりと煎茶を口に流し込む。煎茶特有の優しい味と香りに、頬が緩む。
(そういえば優奈、ヤケに静かね……)
喋っていないと死んでしまうんではないかというほどよく喋る優奈の静寂に疑問を覚え、ふと顔を上げると、いつになく真剣な顔でスマホを見ている。
「優奈、なにしてんの?」
千聖が声をかけると優奈は肩を揺らし、顔を上げた。
「合コンのセッティング準備」
優奈は短く答えると、また食い入るようにスマホを見る。
(まったく、次から次へと……)
恋愛に興味のない千聖は、うんざりしながら煎茶を飲む。
「何食べようかなぁ」
ご機嫌な優奈は、メニュー表をパラパラとめくる。
「何か軽いもの……」
食い気より眠気な千聖は、軽食を探す。
「千聖、決まった?」
「うん、決まった。モーニングトーストで」
千聖の返事を聞いた優奈は、呼び鈴を押した。すると目の下に濃いクマを作った男性店員が、注文を聞きに来る。
「チキンドリアとモーニングトースト。ドリンクバーふたつと、いちごパフェください」
優奈は千聖の分まで注文してくれる。男性店員は虚ろな目で注文を繰り返すと、厨房に消えた。
「さ、何飲む?」
「んー……あったかいお茶がいい……」
「お茶ね、オッケー」
優奈は軽い足取りで、ドリンクバーへ行く。飲食店に来た時、こうして積極的に動いてくれるのは彼女の美点だと、千聖は勝手に思っている。
「ふわぁ……ねっむ……。しっかしまぁ、朝っぱらからよくドリアやらパフェやら食べられるわね……」
千聖は優奈の注文を思い出し、呆れ返った。
「お待たせ」
優奈はメロンソーダと珈琲カップを持ってきた。カップの中にはティーバッグの煎茶が入っている。
「ありがと」
千聖はティーバッグを上下させ、抽出を急かす。
(今日は睡眠で潰れそ……)
テーブルに突っ伏したいのを我慢しながら、千聖はゆっくりと煎茶を口に流し込む。煎茶特有の優しい味と香りに、頬が緩む。
(そういえば優奈、ヤケに静かね……)
喋っていないと死んでしまうんではないかというほどよく喋る優奈の静寂に疑問を覚え、ふと顔を上げると、いつになく真剣な顔でスマホを見ている。
「優奈、なにしてんの?」
千聖が声をかけると優奈は肩を揺らし、顔を上げた。
「合コンのセッティング準備」
優奈は短く答えると、また食い入るようにスマホを見る。
(まったく、次から次へと……)
恋愛に興味のない千聖は、うんざりしながら煎茶を飲む。