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独占欲に捕らわれて
第6章 契約期間開始
紅玲は和栗あんみつをひと口食べると、ペンを手に取った。
「取材の続きいい?」
「えぇ、いいわ」
「チサちゃんの職場には、御局様っている?」
「えぇ、いるわよ……」
千聖はげんなりした顔をする。
「その様子だと、よっぽど嫌いみたいだね。どんな人?」
「まず、挨拶の仕方にうるさいわね。『おはようございまーす』って伸ばしたりすると『私はあなたの友達じゃありません!』なんて怒鳴っちゃってね……」
「うわぁ……すごい人だね……他には?」
「あとは……」
それから千聖は、御局様に関する質問に答え続けた。後半は質問に答えると言うより、紅玲が千聖の愚痴を聞くという状態になっていた。
「なるほどね……。ありがと、参考になったよ。そろそろ行こっか」
紅玲は満足げにメモ帳を閉じた。
「えぇ、そうね。なんだか愚痴っぽくなっちゃってごめんなさいね」
「気にしない気にしない。少しでもスッキリしたのならなによりだよ。おかげでだいぶ案がまとまったしね」
紅玲は千聖の頭を撫でると、レジへ行って会計を済ませた。
店から出ると、紅玲は千聖に向き直る。
「今日は貴重な話をありがとね。気をつけて帰ってね」
「え? ホテルには行かないの?」
千聖が驚いて言うと、紅玲は一瞬固まってから笑った。
「あっはは、前にも言ったけど、セフレっていうのは会う度にセックスするものじゃないよ。それにこれをまとめなきゃいけないからね」
紅玲はメモ帳を目線の高さまで持ってくる。
「そっか、頑張って」
「ありがと。ねぇ、明日会える?」
千聖は脳内スケジュール表をパラパラとめくるが、特に用事はない。
「えぇ、予定はないから会えるわ」
「それじゃあ、明日会ってくれる?」
「わかったわ。何時頃?」
待ち合わせ時間を聞こうとすると、紅玲は困ったような顔をする。
「こっちから誘っておいて申し訳ないんだけど、今のところなんとも言えないから、深夜に連絡したいんだけど、ダメかな?」
紅玲は眉尻を下げながら、気弱に言う。
「それで構わないわ」
「よかった……。それじゃあ、おやすみ」
紅玲は千聖の頬にキスを落とすと、ネオン街へ消えていく。
「とんでもない奴ね……」
千聖はキスをされた頬に触れながら悪態をつくと、帰宅した。
「取材の続きいい?」
「えぇ、いいわ」
「チサちゃんの職場には、御局様っている?」
「えぇ、いるわよ……」
千聖はげんなりした顔をする。
「その様子だと、よっぽど嫌いみたいだね。どんな人?」
「まず、挨拶の仕方にうるさいわね。『おはようございまーす』って伸ばしたりすると『私はあなたの友達じゃありません!』なんて怒鳴っちゃってね……」
「うわぁ……すごい人だね……他には?」
「あとは……」
それから千聖は、御局様に関する質問に答え続けた。後半は質問に答えると言うより、紅玲が千聖の愚痴を聞くという状態になっていた。
「なるほどね……。ありがと、参考になったよ。そろそろ行こっか」
紅玲は満足げにメモ帳を閉じた。
「えぇ、そうね。なんだか愚痴っぽくなっちゃってごめんなさいね」
「気にしない気にしない。少しでもスッキリしたのならなによりだよ。おかげでだいぶ案がまとまったしね」
紅玲は千聖の頭を撫でると、レジへ行って会計を済ませた。
店から出ると、紅玲は千聖に向き直る。
「今日は貴重な話をありがとね。気をつけて帰ってね」
「え? ホテルには行かないの?」
千聖が驚いて言うと、紅玲は一瞬固まってから笑った。
「あっはは、前にも言ったけど、セフレっていうのは会う度にセックスするものじゃないよ。それにこれをまとめなきゃいけないからね」
紅玲はメモ帳を目線の高さまで持ってくる。
「そっか、頑張って」
「ありがと。ねぇ、明日会える?」
千聖は脳内スケジュール表をパラパラとめくるが、特に用事はない。
「えぇ、予定はないから会えるわ」
「それじゃあ、明日会ってくれる?」
「わかったわ。何時頃?」
待ち合わせ時間を聞こうとすると、紅玲は困ったような顔をする。
「こっちから誘っておいて申し訳ないんだけど、今のところなんとも言えないから、深夜に連絡したいんだけど、ダメかな?」
紅玲は眉尻を下げながら、気弱に言う。
「それで構わないわ」
「よかった……。それじゃあ、おやすみ」
紅玲は千聖の頬にキスを落とすと、ネオン街へ消えていく。
「とんでもない奴ね……」
千聖はキスをされた頬に触れながら悪態をつくと、帰宅した。