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独占欲に捕らわれて
第1章 困った親友
千聖はマンションに帰ると、化粧を落としてシャワーを浴びた。下着まで身につけるのが面倒になり、バスローブだけ羽織ってベッドに潜り込む。

千聖が目を覚ましたのは午後3時過ぎ。充電が危ういスマホを見れば、優奈からLINEが入っている。スマホを充電しながら確認してみれば、合コンのお誘いだ。
「もう、興味ないって言ってるのに……」
千聖が断りのメッセージを打ち込んでいる最中に、魅力的な写真が送られてきた。少しお高いウイスキーとテキーラのボトルが並んでいる写真だ。

「なによ……」
期待に胸を膨らませながら、千聖は断りのメッセージを消す。
“報酬はこれでどう?”
「優奈ったら、いつからそんなに私の買収が上手くなったの? イケナイ子ね……」
千聖はだらしなく頬を緩ませながら、“是非とも行かせて”と返信した。

午後7時、千聖は後悔に顔を歪ませながら、居酒屋前に立っている。
「こればかりは私のミスね……」
そう呟いて、盛大にため息をついた。

というのも、優奈から誘われた合コンが今夜なのである。了解の返事をした直後に、今夜の7時と言われてしまった。“是非とも行かせて”と言ってしまった手前、今更取り消す訳にも行かず、こうして待ち合わせ場所に足を運んだという訳だ。

「あ、千聖ー! お待たせ」
優奈はふたりの女性を引き連れ、手を振ってこちらに小走りしてくる。
「げ……」
優奈の気合いの入りように、ドン引きした千聖は思わず声を漏らした。いつものツインテールにロリィタファッション。ふんわりしたスカートは、夜の新宿に不釣り合いだ。それでも童顔で小柄な彼女には、よく似合う。

「どうも、初めまして」
「どーも……。被ってる、最悪……」
優奈に連れてこられた彼女達も挨拶する。清楚系の彼女は丁寧に挨拶をしてくれたが、もうひとりは悪態をついた。
悪態をついた彼女は仕事帰りを思わせるスーツ姿だ。千聖は男避けにと、ブラウスに黒のスラックスで来た。それでも抜群のプロポーションと美貌を持ち合わせる千聖は、この4人の中で1番目立つ。
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