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ひと夏の恋……そして……
第7章 揺れ動く私の心
「彼女?」
「うん、そうだよ。僕は夏樹と違って真緒のことを妹とはみれないよ。一人の女性として真緒と触れ合いたい。この夏を一緒に過ごしたいんだ。ダメかな?」
夏樹と違ってはっきりと言葉にしてくれる和泉に心揺り動かされる。
それに妹だと和泉に説明していたことがショックで、だから私の事を彼女だと紹介してくれなかったんだと、自分の中で妙に納得できた。
だったらあの行為は何で?と思うけど、今の私にそれを考えるほどの余裕はなかった。
それに、ここ最近は和泉とふたりでいることが増え惹かれているのも事実で、真剣に気持ちを言葉にしてくれる和泉に自然と頷いていた。
「じゃあ、吸血鬼になってもいいかな?」
まじめな話から一転、冗談交じりの言葉に笑みがこぼれる。
「もう、そんなこと、聞かないでよっ」
「分かった。じゃあ、もう聞かない」
そう言って和泉の唇が私の唇に触れた。
吸血鬼のように噛みつくわけでもなく触れるだけの優しいキス。
啄むようなキスを何度も交わしながら和泉との忘れられない夏が始まった。