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ひと夏の恋……そして……
第9章 彼と秘密の時間
「イクっ、イクっ……真緒、イクからっ」
「イッって、イッていいから」
一層握りしめる腕に力が入る和泉はイクと何度も声を上げる。
イッていいと言葉にしても、首を横に振るだけどイッてはくれない。
「真緒ッ!ゴムっ!してないから、このまま、ダメだって」
滴る汗にむせ返す湿気、もうろうとする頭では和泉の言葉も耳に入らない。
ただ和泉に気持ち良くなって欲しくて無心に腰を振り続けるだけだった。
「イクっ、イクっ!!」
私が身体を浮かせた瞬間、私の身体は下に落ちることなく引き寄せられ、ポロンと私の中から和泉は抜けた。
私の身体は和泉の上に覆いかぶさるように力果て、お互いに荒い息をしながら時を過ごし、荒い息が収まれば和泉にギュっと抱きしめられた。
「真緒のバカ!ゴムしてないんだからあのまましてたら真緒の中に出すことになったんだよ。中に出すことが危険だって真緒だって分かってるよね」
初めて荒げる和泉の言葉に、ジワリと涙がにじむ。
ただ私は和泉に気持ちよくなってほしかっただけなのにと悲しくなった。