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ひと夏の恋……そして……
第9章 彼と秘密の時間
「ごめん……」
「別に怒ってるわけじゃないんだよ。僕のために頑張ってくれた事はうれしく思うし、やっぱり真緒は可愛いなって思う。けどね。妊娠する確率があるって分かってるよね。今の僕たちじゃ産んで育てるわけにもいかないんだ。それはわかるよね」
和泉の言葉に素直に頷いた。
私たちは学生で妊娠しても産んで育てることはできない。
学校をやめて産むことはできても、育てることを考えると無理だとわかる。
「分かってくれればいいよ。でも、ありがとう。とても気持ちよかったよ」
「怒ってないの?」
和泉の胸から顔を上げて聞くと、和泉はにっこりと微笑んだ。
「馬鹿だなぁ。怒るわけないよ。真緒の身体が大事だから強く言っただけで、真緒の気持ちと行為はうれしかったよ」
私の気持ちが伝わっていると言われて嬉しくて、もう一度抱きついた。
「和泉、すきっ」
「うん。僕も真緒の事、好きだよ」
私の好きに、同じだけの気持ちで返してくれる。
それがうれしくて、もう一度私の方からキスをしてお互いに見合って笑った――