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ひと夏の恋……そして……
第9章 彼と秘密の時間
「ごめんね。直ぐでちゃった」
「ううん。一緒にイケたから大丈夫だよ」
いつもより早くイッった和泉は申し訳なさそうに言いながら腕枕をして抱きしめてくる。
短い時間だったけど和泉に抱かれたことが身体も心を満たしてくれたようで気分はすっきりしていた。
それからいつものように朝方まで一緒に居て、陽が上がりきる前に家に戻り変わらない一日が始まった。
立ち替わり入れ替わりに入ってくるお客さんに店内は大混雑で、へとへとになるまで店内を駆けずり回り一番忙しい時間を乗り切ることができた。
「何?この忙しさ。死ぬんだけど?」
カウンターに顔を突っ伏して愚痴ると、ソンちゃんが笑いながら冷たい麦茶を出してくれた。
それを一気に飲み干せば生き返り後片付けを始めた。
最後のお客が店を出るとやっとお昼が食べられる。
テーブルを片付けてカウンターに戻れば、ソンちゃんが賄を出してくれた。
それをありがたく食べていると久しぶりに夏樹が顔を出した。
和泉が来るまでは当たり前だった光景でも、今はひとりで店に顔を出すことはほとんどなくて懐かしく感じた。