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ひと夏の恋……そして……
第9章 彼と秘密の時間


「なんだ、今からお昼か?」

「うん。さっきまでお客さんで大変だったんだから。やっとお昼だよ、やっと」

私の横に座った夏樹は、美味しそうだなと言いながらスパゲティを指でつまんで口に運んだ。

「あ~私の!」

「少しぐらいいいだろう?それにしてもやっぱりソンちゃんの作る料理は絶品だな。最近食べれてないからマジに旨い」

「そう言うんだったら前みたいにランチを食べにおいで。いつでも作ってあげるよ」

ソンちゃんは嬉しそうにコーヒーを出して帰っていった。
叔母さんは厨房の片づけをしているから賄を食べるのは私だけ。
いつも申し訳ないと思いながらも待つことができずに食べてしまう。
そんな私を夏樹は冷房の冷たい風に当たりながらコーヒーを飲んで食べ終わるのを待っていてくれた。
こんな風に夏樹と時間を過ごすのは久しぶりで少し緊張した。
夏樹とふたりっきりになる事を和泉は嫌がるけど、今は叔母さんも一緒だからと夏樹の横で美味しい賄を頬張った。


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