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ひと夏の恋……そして……
第9章 彼と秘密の時間
「その割には浮かない顔をしているよ」
何もかも見透かされたようにジッと見つめてくれる和泉の目線。
その視線を受け止めれば正直に話してしまう。
「本当に少しの時間だったの。だから和泉に心配かけさせないように嘘を言ってもよかったんだけどつけなかった。それとは逆で……夏樹には平気で嘘をつける、夜中に出歩いてないって。それに和泉の事も話してないから」
「僕との関係話したい?」
「黙っている理由ある?」
和泉の問いにはっきりと答えると、和泉は笑った。
「それだけはっきりと答えてくれるなんてうれしいよ。分かった、僕たちがつきあってることは僕から夏樹に伝えておくよ」
その言葉にホッとした。
和泉が伝えてくれるのならそれに越したことはない。
「もう、他の男の話は終わり。今からは僕だけを見つめて」
和泉の甘い言葉にふたりの時間が始まった。
昨日と違って人の目を気にすることなく愛し合える喜びに惜しげもなく喘ぎ声をあげて身もだえる。
月明かりに照らされる苦悶に歪む和泉を見ながら、今日も和泉の愛を身体中で受け止め続けた。