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ひと夏の恋……そして……
第9章 彼と秘密の時間
お互いに唇を寄せては啄むようなキスを続けた。
このまま押し倒されてエッチをするものだと思っていると、身体を離した和泉は指を絡めてきた。

「今日は夏樹とふたりっきりになったの?」

「ふたりっきりって……いつのこと言ってるの?」

和泉の質問の意味が分からず聞くと、少し寂しそうな表情をする。

「夕方に夏樹の話したよね。その時にふたりっきりだったのかなって……女々しいかもしれないけど、夏樹とふたりっきりになるのは嫌なんだ」

ごめんねと言いながら繋がれた指に力が入った。
夏樹とふたりになることを嫌がる和泉が気にするのは当然だと思い、和泉が不安にならないように伝えた。

「うん……叔母さんがいるからふたりっきりじゃないって思ってたんだけど、途中で叔母さんが買い物に行っちゃって少しだけ二人になって、けど何もないよ。ちゃんと距離は取ってたし和泉に言えないこと何もないからね」

ほんの少しの時間だったから嘘をついてもよかったけど、和泉には嘘はつきたくなくて本当の事を話した。
夏樹には嘘をつけても和泉にはつけなかった。

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