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ひと夏の恋……そして……
第11章 甦る記憶と共に

「真緒さんはリゾート開発に反対ですか?賛成ですか?」

反対か賛成かを聞かれて言葉に詰まる。
真和の未来や島の未来を考えればリゾート開発は歓迎したい。
佐伯さんが手掛けるのなら託したいと思う。
だけど賛成だと言い切れないのは、まだ和泉の事が心に引っかかっているから。
いつ現れるか分からない和泉より傍にいる夏樹の手を取った私だけど、まだ全てをふっきれていない私がいるのも事実だった。
ちらりと佐伯さんの方に視線を向けると、佐伯さんは夜空を見上げていた。
その横顔を見ながら思う。


――彼が和泉だったら


と……夏樹には悪いと思いながらも、昨日から何回も思ってしまう。
それだけ佐伯さんは和泉に似ていたし、すぐに真和が懐いたのも相重なり思ってしまった。
その和泉に似ている佐伯さんは、夜空から私の方に視線を向けてにっこりと笑い、それは最後に見た和泉の笑顔と重なった……



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