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ひと夏の恋……そして……
第11章 甦る記憶と共に

「私の助言が役にたってよかったです。それにリゾート開発関係者って言わなかったんですよね。それは正しい判断だと思います」

「前の担当の者がこの島の人たちに好ましく思われていないのは知っています。その後を継いだ私も歓迎されないでしょう。皆さんを騙す形になるのかもしれませんが、私は嘘偽りのない島の良さを知りたいんです。開発関係者だと分かれば、敵意を剥き出しにする人、逆にすり寄ってくる人もいるでしょうからね」

佐伯さんは自分の立場がよく分かっているようだった。
私がこの島に来るようになる前からリゾート開発の話はあった。
その度に立ち切れになり、いつしかそれは淡い夢物語と化し誰もが耳を傾けなくなっていた。
今回は西条さんたちが足繁く通い一時期は歓迎ムードだったけど、上から目線、自分たちの要求ばかりを話す姿勢に、徐々に気持ちは離れ今では歓迎する人は少ない。
この島の未来を考えればリゾート開発は大歓迎でも、それを手掛ける人によっては歓迎されない。


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