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ひと夏の恋……そして……
第12章 成長とやさしさ
カーテンの隙間から入り込む太陽の光で目が覚め、一瞬自分がどこにいるのか分からず、なんだか夢を見ていたようなそんな気持ちで天井を見上げていた。
だけど次の瞬間には枕元にある目覚まし時計を見て青ざめる。

「ごめん、真和。寝坊した!!」

慌てて真和を起こそうとすると、私の横で眠っているはずの真和の姿は見当たらず、部屋の中には私一人だった。
だったら真和は?と焦っていると、1階の方から真和と佐伯さんの笑い声が聞こえてきた。
その声に安堵して下に降りていくと、真和は佐伯さんと楽しそうに朝ご飯を食べている最中だった。

「今日は帰ってきたら一緒に泳ごうか?」

「うん。僕ね、泳げるんだよ。潜れるしね。岩場に行けばウニも捕れるんだよ」

「それはすごいな。真和くんの取ったウニか。楽しみだ」

「うん。僕も楽し――あ~~ママだ!!」

楽しそうに話している場所に顔を出せば、私に気が付いた真和が駆け寄って抱きついてきた。


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