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ひと夏の恋……そして……
第13章 私の心はどこに
あの場所は思い出が詰まった場所だから、あの日以来足を踏み入れていない。
近くを通ることがあっても、車を止めて砂浜に降りたことなんてなかった。
あの場所を教えてくれた夏樹でさえ、一度も行ったことはない。
「最後にどうしても見ておきたいんです」
「最後、ですか?」
思わぬ言葉に、佐伯さんは少し寂しそうに笑った。
「はい。あまり長居するのもご迷惑でしょうし、仕事の事もありますので、一度戻ろうかと思っています」
突然の事に言葉を失った。
いつまでとは決めていなかったから、もう少し一緒にいられるとおもっていただけに、ショックだった。
あさってには佐伯さんがいなくなるのかと思うと、和泉がいなくなった時のことを思い出す。
「真緒さん?大丈夫ですか?」
「あっ、はい、大丈夫です」
「でも顔色が悪いですよ。今日はもう休んだ方がいい。もし、明日の朝も辛かったら真和くんの面倒は私が見ますから遠慮なく言ってください」
青ざめる私に優しい言葉をかけながら背中を押して、部屋に戻るように促された――
近くを通ることがあっても、車を止めて砂浜に降りたことなんてなかった。
あの場所を教えてくれた夏樹でさえ、一度も行ったことはない。
「最後にどうしても見ておきたいんです」
「最後、ですか?」
思わぬ言葉に、佐伯さんは少し寂しそうに笑った。
「はい。あまり長居するのもご迷惑でしょうし、仕事の事もありますので、一度戻ろうかと思っています」
突然の事に言葉を失った。
いつまでとは決めていなかったから、もう少し一緒にいられるとおもっていただけに、ショックだった。
あさってには佐伯さんがいなくなるのかと思うと、和泉がいなくなった時のことを思い出す。
「真緒さん?大丈夫ですか?」
「あっ、はい、大丈夫です」
「でも顔色が悪いですよ。今日はもう休んだ方がいい。もし、明日の朝も辛かったら真和くんの面倒は私が見ますから遠慮なく言ってください」
青ざめる私に優しい言葉をかけながら背中を押して、部屋に戻るように促された――