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ひと夏の恋……そして……
第13章 私の心はどこに
『まぁ、無理にとは言わないよ。だけど、俺はそれだけ本気だからな。それだけ真緒の事が好きってことだからな。忘れるなよ』

最後の方は恥ずかしいのか少し怒り気味だった。
それでも夏樹の気持ちは嫌というほど伝わってくる。

「ありがとう。そんな風に考えてもらえてうれしい」

『当たり前だろう?ずっとお前を見てきたんだ。どれだけ真剣に和泉を思ってたかぐらい知ってるさ。その和泉より俺と一緒に歩くと言ってくれる真緒に寄り添うのは当然だろ?』

「それでもうれしいよ」

そんな事を真和の横で話していると、真和がうっすらと瞼を開いて抱きついてくる。

「真和、なつ兄ちゃんだよ。電話にでる?」

電話の相手が夏樹だと告げると、寝起きだというのに笑顔で持っている電話を受け取り話し始めた。

「なつ兄ちゃん?おはよう。僕の事忘れてない?覚えてる?」

矢継ぎ早に質問攻めにして、この2日間話せなかった事を話し始めた。
それは1時間にも及び、その間笑いが途切れることはなかった。


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