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ひと夏の恋……そして……
第14章 花火大会と決意
「それじゃあ、今年も世話になるよ」
「いえ、こちらこそ助かってますから。それなのにお店を抜け出してすみません」
「気にすることはない。この年頃の子供は花火会はワクワクするもんだ。真和くんも楽しみだよな?花火大会」
「うん。早く花火みたい!」
花火大会委員長が腰を落として真和に言葉をかれば、真和は元気に返事をする。
その笑顔に店内にいる人たちの表情まで緩む。
「出店もいっぱい出てるんだ。早く行った行った」
他の人からも急かされて、花火会場に行くことにする。
「それじゃお言葉に甘えて――ソンちゃん後の事お願いね」
「こっちは任せておきな。真和も楽しんでおいで」
「うん。ソンちゃんにもお土産買ってくるね!」
見送ってくれるソンちゃんに元気良く返事をした真和は、皆にブンブンと両手を振りながら砂浜に降り、手つないで歩き始めた。
20時から上がる花火でも15時ごろから人は集まりだし、19時には砂浜を半分ぐらいの人が埋め尽くしていた。