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ひと夏の恋……そして……
第14章 花火大会と決意
「夏樹?今、大丈夫?」
佐伯さんに伝えたいことを伝えた後、夏樹に電話をした。
0時近くなっていても、少し酔っ払った様子の夏樹は電話に出てくれホッとした。
『ああ、まだみんなと飲んでるけど大丈夫だ』
「そうなんだ。こんな時間にごめんね。友達は大丈夫?」
『真緒が気にすることはないよ。俺も真緒に電話したかったからちょうど良かったんだ。で?花火はどうだった?相変わらず真和は出店に夢中だっただろう?』
「うん。今年も金魚すくいとヨーヨーやったよ。いつものようにお面も買ったし、とても喜んでくれた。もちろん花火もよかったよ。フィナーレなんて去年以上に迫力あって凄かった。真和はずっと興奮してて戻ってきたらすぐに寝ちゃった」
横で眠る真和の頭をなでながら佐伯さんと過ごした1日が頭に浮かぶ。
父のように慕う真和の姿。
夏樹とは違う真和の懐き方に、泣きたくなる。