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ひと夏の恋……そして……
第16章 すれ違う気持ち
「本当に吹っ切れたんですね」
「はい。これで何の憂いもなく前に進むことができます」
「そうですか……そこまで断言できれば大丈夫ですね。その笑顔のまま幸せになってくださいね。応援しています」
運転をしているから佐伯さんがどんな表情で言ったのかわからない。
だけど、私の決意が伝わっているのならそれでいい。
色々と遠回りをしてしまったかもしれないけど、今が一番幸せだと思えたから。
「本当にありがとうございました。佐伯さんのおかげで、すっきりした気持ちで夏樹と一緒になれます。」
「私は何もしていませんよ。決めたのは真緒さんですよ。それに、過去に何があったにせよ、今が幸せだと思えるのならそれが一番です――幸せになってください」
「はい」
これで全てが終わった。
悲しい過去も清算し、新しく一歩踏み出せると思うと気分は晴れやかだった。