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ひと夏の恋……そして……
第17章 会いたくて泣く

「夏樹ちゃんと喧嘩でもしたのかい?」
一向に顔を見せない夏樹に、ソンちゃんも不思議がり始めた。
旅行に行く前は毎日のように顔を出していたから、この状況を不思議に思うのも無理はなかった。
「うん……ちょっとね」
「本当に喧嘩したのかい?」
「うん……」
私の言葉に呆れた顔をするソンちゃんは家の鍵とスマホを私の手に握らせた。
「もう、何やってるんだい!こういう時はさっさと謝った方がいいんだよ。長引けば長引くほどこじれるからね。仕事は終わったんたから夏樹ちゃんのところに行ってきな。真和は私が迎えに行ってあげるから」
そのまま私の背中を押し、強引に家から追い出されてしまった。
ここまで強引なのも初めてで戸惑ってしまう。
だけどソンちゃんの言う通り、このままでいいわけもない。
夏樹から連絡が来るまで待っていたけど、私が仕出かしたことと腹をくくって夏樹の家に足を向けた。

