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ひと夏の恋……そして……
第2章 逃げてきた場所

「100歩譲ってそうだとしても俺は真緒ちゃんの事は可愛いと思うよ。可愛いと言うか……美人さんかな。人にはそれぞれ好みがある。今まで真緒ちゃんの傍にいた人たちは真緒ちゃんの事を好みと思わなかっただけ。だけどここは違う。俺も、マリさんも常連のお客さんも真緒ちゃんは可愛いと思ってるし、みんな真緒ちゃんの事が好きだよ」

好きと言われて胸の内がザワザワした。
今までに感じたことのない感情に、私の心は追いつかない。

「さて、帰ろうか?余り遅くなるとマリさんに叱られる……って晩飯どうしようか……」

そう言って夏樹さんの車で食事をして家に帰った。
夏樹さんのおかげで次の日から毎日が楽しくなった。
可愛いと言われたことを鵜呑みにしたわけではないけど、私の存在を認めてくれる人がいることが何よりもうれしかった。
だから自然と笑えた。
笑えば人が集まってくる。
毎日が楽しくて楽しくて、こんな日がずっと続くと思っていた。


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