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ひと夏の恋……そして……
第18章 伝えたい想い…
「和泉ちゃん???」
ソンちゃんが大きな声を上げて驚いていた。
それもそうだ。
いきなり和泉に似た人が現れれば驚かないはずがない。
「和泉じゃないよ。リゾート開発で新しく担当になった佐伯さん」
私の言葉に合わせて佐伯さんは名刺をソンちゃんに渡した。
名刺には佐伯千春という文字。
名刺と佐伯さんを何度も交互に見たあと、私の方に視線を向けた。
「似てるよね。私も初めは和泉が会いに来てくれたって思ったもん。でも違う人だよ」
そう説明すれば、そうなのかいと言いながらまだ信じられない視線を佐伯さんに注いでいた。
私の言葉だけで納得してくれないのは想定内。
「でも、ほらっ。西条さんも一緒でしょ?担当が変わったから当分は一緒に島内を回るんだって」
私が西条さんの名前を出すと、佐伯さんの後ろに控えていた西条さんは頭を下げた。
「急な担当変更に困惑されるかとは存じますが、佐伯が責任をもって引き継がせていただきますので、今後ともよろしくお願いいたいます」
「ああ……」
西条さんが挨拶をしても、ソンちゃんは信じていいのか混乱しているようだった。