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ひと夏の恋……そして……
第18章 伝えたい想い…

「やはり、そんなに似ているんですね。先ほども夏樹さんの家にお邪魔した時にご両親に驚かれました。と同時にイヤな顔をされましたけどね。理由は何となく分かりますけど……」

佐伯さんの言葉で、夏樹の両親が嫌な顔をした理由が何となく分かった。
せっかく私と夏樹が付き合い始めたのに和泉が現れ、違う人だと分かってても、私が和泉に似た佐伯さんに惹かれてしまうんじゃないかと心配しているんだろう。
何と言っても、今現在の私と夏樹を見ていれば不安に思うのも無理はない。

「ご両親?夏樹ちゃんは驚いてなかったのかい?」

「夏樹さんとは一度お会いしていますので。その時に私が和泉さんじゃないと説明して分かっていただきました」

「そうかい。夏樹ちゃんもあなたのことを和泉ちゃんじゃないと……じゃあ、和泉ちゃんじゃないんだね。――でも本当に似てるよ。和泉ちゃん、今頃何をやってるんだろうね」

佐伯さんに冷たいお茶を出しながらしみじみ言葉にする。
私と夏樹の関係を望んでいたソンちゃんでも、突然姿を消した和泉の事を今でも心配しているのは知っていた。


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