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ひと夏の恋……そして……
第3章 自由になる為に
―――パシッ
店内に響く乾いた音に何が起きたのか分からなったけど、時間が経つにつれて広がる頬の痛みに、叩かれたのだと理解した。
いつものことだから驚きはしないけど、楽しい時間が終わったのだと告げられた気分だった。
「姉さん!!いきなり手を挙げるなんて酷いじゃない!」
「これはうちの問題だから麻理恵は黙ってて!!」
間に入ろうとした叔母さんを一喝したママは、もう片方の頬も平手打ちして怒りを露わにする。
「どれだけ私に恥をかかせれば気がすむの!!出来損ないの癖にこれ以上私たちに迷惑をかけないで!!恥をかかせないで!!帰るわよ!真緒!!」
動こうとしない私の腕を力強く引っ張ってお店から連れ出そうとする。
だけど、私は帰りたくなくて抵抗した。
初めての抵抗にママは驚いた顔をするけど、ママの怒りに火をつけたのは明らかだった。