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ひと夏の恋……そして……
第19章 好きなら奪って
「そんなに驚くことですか?聞けば私と夏樹さんは同い年。婚約者がいてもおかしくはないでしょう?」
「でもっ、じゃあ、さっきのは?」
困惑する私に片目を閉じてウィンクをして笑う。
「夏樹さんを挑発したんですよ」
「はぁ?」
今度は夏樹が嫌な声を上げた。
「ああでもしないと、いつまでたっても平行線だと思いましたからね……店の窓から夏樹さんと真和くんが帰ってきているのが見えていたので挑発したんですよ。好きな女性が目の前で言い寄られてたらさすがに目を覚ますかとね。ですが、あなたときたら、それでもまだグダグダとしてたのでキスしてしまったじゃないですか?これは夏樹さんのせいですからね。あなたが最初から私の手から真緒さんを救い出していればよかったんですよ」
「はぁ?人の女にキスしといて何正当化してんだ?」
「正当化?あなたがモタモタしてるのが悪いんですよ。気持ちの整理をつけたいから時間をくれ?その間に本当に誰かに攫われてたかもしれないんですよ。和泉さんのようにね」
「お前……言わせておけばっ」