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ひと夏の恋……そして……
第19章 好きなら奪って
「ああ。真和がいる限り真緒との時間が取れないだろう?真和優先だと言っても、やっぱり真緒との時間を大切にしたいんだ。誰にも縛られることなく真緒と一緒にいたいんだ。だからいいだろう?」
それは願ってもないことだった。
散々真和優先だと言ってきた私だけど、夏樹との時間を大切にしたいと思う気持ちは私も同じ。
何に縛られることなく夏樹に甘えて――夏樹に抱かれたいと願う。
「私も夏樹とゆっくりしたい。真和には申し訳ないけど、夏樹にもっと甘えたい」
「じゃあ、約束な。それまでは真和が近くにいるからこれだけ……これだけで我慢しろよ」
そう言って唇を寄せてはキスを交わした。
どんなに激しくなってもそこから進むことはない。
膨れ上がる欲情を抑えながら、傍にいるお互いの体温を肌で感じながら長い夜は更けていった。