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ひと夏の恋……そして……
第20章 和解し懐かしむ
「それなんだけどね。実際は泊るところはあるはずなんだよ。佐伯家の坊ちゃんならね」
ソンちゃんの言っている意味が分からず首を傾げる。
「ほら、数年前に本土の方にホテルができただろう?あれを手掛けたのが佐伯コーポレーションだったはずだよ。それにこれは噂なんだけどね。その上層階の部屋は佐伯一族が泊まるために宿泊用にはしてないって、そんな話を聞いた事あるんだよ」
それは初めて聞く話だった。
本土には大きなホテルが数年前に建ち、全国的にも有名なホテルだった。
近くの温泉の湯を引いて温泉施設までつくり、それとは別に水着を着て入れる温水プールもあり、夜になればライトアップされてカップルに人気だと聞いた事がある。
食事も和洋折衷のバイキングが人気で、一年中を通して客足が途絶えない施設だと、こことは正反対すぎる賑わいにうらやましく思ったこともあった。
そんなホテルが佐伯さんの会社が手掛けているなんて知らなかった。
それどころか……