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ひと夏の恋……そして……
第20章 和解し懐かしむ
金平さんは最後に冷たく言い放ち店を出た行き、その後を佐伯さんも追って出て行った。
窓の外では金平さんと佐伯さんが言い争っている姿が見える。
年齢的にも会社の力関係からしても金平さんに佐伯さんが叶うわけもない。
それに今の言葉が真実なら勝てる要素は一つもなかった。

「ねぇ、夏樹……」

「何だ?」

今聞いた真実を確認するように夏樹に聞く。

「佐伯さん、金平さんのこと兄さんって言ったよね」

「だよな」

夏樹も同じところで疑問に思ったようで、私の言葉に賛同する。

「佐伯さんと金平さんって兄弟なのかな?でも苗字違うよね……」

その問いに夏樹が答えられるわけがない。
車に乗り込む金平さんを追いかけていく佐伯さんの姿を見ながら、そんな会話を私たちはした。


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