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第20章 和解し懐かしむ

受け入れてもらえてるとは思わず私も夏樹も佐伯さんさえも驚いて目を見開いていた。
佐伯さんのプランが通ると喜んだのもつかの間、いつもの冷たい口調で言い放つ。

「だが、それだけじゃ意味がない。利益をあげてこそだ。今の案を通したければもっと話を詰めろ。具体的な収益率を出して私たちを納得させろ！でなければ白紙に戻す」

その言葉に佐伯さんは顔を歪め悔しそうに唇を噛みしめていた。
そんな佐伯さんの耳元に顔を近づけて何かを言えば、佐伯さんは勢いよ立ち上がり金平さんをこう呼んだ。

「兄さん、待ってください」

兄と呼ばれた金森さんは冷たく一瞥する。

「グダグダ言っている暇があったら与えられた仕事をきちんとこなし利益をだせ。理想や夢だけで大掛かりな開発が成功すると思うな。それに、この計画が失敗すれば被害を受けるのは島民だ。お前の想いだけで島民を振り回すな。その想いに囚われて仕事をおろそかにするな！」