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ひと夏の恋……そして……
第21章 流れる時の中で
海辺の冬は夏と違ってとてつもなく寒い。
ダウンを羽織っていても吹き付ける風は冷たく、頬まで真っ赤に染め、身体の芯から冷え込んでいく程寒かった。
そんな中、散歩に来た犬と無邪気に走り回っている真和を見ていると、子供は風の子という言葉を実感する。
走りまわっているせいか額にはうっすらと汗をかき、まだまだ帰る気配さえない。
外で遊び始めて1時間弱。
ただ立ち尽くしている私に寒さは堪え、これ以上は耐えきれないと根を上げて声を張り上げる。
「真和!そろそろ家に戻ろうよ。風邪ひくよ」
私の声に気が付かないのか振り返りもしてくれない。
「真和!!真和!!!帰るよ」
「え~やだぁ~まだ遊びた~い」
先ほどより声を張り上げると一瞬だけ足を止め、次の瞬間には不満気な声を上げて遊び始めた。
その姿を見て、仕方がないなと思いながら手袋をはめた手に息をかけて寒さを凌ぐしかない。
まだ小学校にも上がっていない真和を置いて帰れない私は、この寒さに耐えるしかなかった――
ダウンを羽織っていても吹き付ける風は冷たく、頬まで真っ赤に染め、身体の芯から冷え込んでいく程寒かった。
そんな中、散歩に来た犬と無邪気に走り回っている真和を見ていると、子供は風の子という言葉を実感する。
走りまわっているせいか額にはうっすらと汗をかき、まだまだ帰る気配さえない。
外で遊び始めて1時間弱。
ただ立ち尽くしている私に寒さは堪え、これ以上は耐えきれないと根を上げて声を張り上げる。
「真和!そろそろ家に戻ろうよ。風邪ひくよ」
私の声に気が付かないのか振り返りもしてくれない。
「真和!!真和!!!帰るよ」
「え~やだぁ~まだ遊びた~い」
先ほどより声を張り上げると一瞬だけ足を止め、次の瞬間には不満気な声を上げて遊び始めた。
その姿を見て、仕方がないなと思いながら手袋をはめた手に息をかけて寒さを凌ぐしかない。
まだ小学校にも上がっていない真和を置いて帰れない私は、この寒さに耐えるしかなかった――