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ひと夏の恋……そして……
第21章 流れる時の中で
「そろそろ連れて帰った方が良いな。風邪ひくぞ」
話に夢中で夕日も沈みかけているのも分からないほどだった。
この季節は夕日が沈めば気温がどんどん下がり一気に冷え込む。
真和は未だに元気に走り回ってるけど、汗をかいている真和を放っておくこともできなかった。
「そうですね。金平さんにも長居をさせてしまって……あっ、これ、ありがとうございました」
肩からかけていたコートを取って渡そうとすれば着て帰れと受け取ってはくれなかった。
「俺はそこに車を止めているから気にするな」
「でもっ」
「近いうちに顔を出すから、その時に返してくれればいい」
その言葉通り数日後に金平さんは顔出してくれた。
「Aランチを頼む」
窓際に座った金平さんは珍しくランチを注文する。
いつもはコーヒー一杯なのにと不思議に思っていた。
厨房の中にいるソンちゃんにオーダーを通せば、同じことを思ったのか小さい声で聴いてくる。