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ひと夏の恋……そして……
第21章 流れる時の中で
「いいな。冬はそれを全面的に打ち出すのもありだな」
しばらく何かを考えていた金平さんは、何かを思いついたかのように声を上げて今まで見ていた手を脱ぎリしめていた。
「何か良い案でも浮かんだんですか」
「ああ。冬でも人が集まる理由が見つかった。後はそれをどう現実にして行くかだ」
パァと華やいだ表情をして、どこか興奮しているように見える。
ここに足を運び、リゾート開発のヒントが浮かんだのならうれしいこと。
それが私たちの為になれば尚更だ。
「一年中、笑いの絶えない島にしてください」
「それがキミの願いか?」
「はい。人がたくさん足を運んでも笑顔がないと意味がない。毎日笑って、来てよかった、また来年も来るねって言ってもらえるような場所が私たちの願いです」
私の願いを告げれば、分かったと言ってくれた。
佐伯さんと金平さんが作り上げるリゾート地が楽しみでならなった――