この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ひと夏の恋……そして……
第21章 流れる時の中で
「そんなの言わなくても分かるだろう。……真緒にはこんな風に気持ちを伝えることだってできる」
そう言って唇を寄せてくる夏樹に自然と唇が開く。
ぬるりと滑り込む肉厚な舌に舌を絡ませ、お互いの肌が擦れ合えばキュンと子宮が疼く。
舌が解かれ唇が離れれば寂しさから甘えたくなる。
「夏樹っ……」
「うん。分かってる。俺の気持ちは伝わるよな」
「伝わる。もっと、キスしたい」
「ああ。だから真緒には言葉にせずに態度で示すんだ」
夏樹から手を引かれて廊下に出て、先ほどと同じように夏樹の膝の上に座った。
これは真和の事を気にしてからの事。
寝てると言っても、さすがに真和の横でエッチなことはできないし、起きて泣いてしまった事を考えて廊下に出ることにしている。
静まり帰った廊下は部屋にいた時よりヒンヤリとしているけど、お互いの体温がそれを感じさせない。
それどころか、これから起こる出来事に身体は熱を帯び始めていた。