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ひと夏の恋……そして……
第22章 それぞれの想い
「今日も暇だね」
「毎年の事だろう?――ああ、違うね。あと少しすれば真和を迎えに行って夏樹ちゃんと帰ってくるんだろう?」
ソンちゃんはニヤニヤと笑い、お尻で私の事を突いてくる。
年をとってもこの手の話は好きみたいで、何かにつけて私をからかっては楽しんでいる。
「私が元気なうちに孫を抱きたいねぇ、何なら真和を数日預かろうか?じゃなけりゃ、出来るもんもできないさね」
こんな風に言っては私を困らせている。
正直、子供を考えないわけじゃない。
将来的には夏樹との間に子供が欲しいと思うし、真和にも妹か弟をとは思っている。
だけどソンちゃんが言っている通り、真和がいる限り無理な事だと思っている。
もちろん、することだけやってしまえば子供が出来る可能性は高くなるけど、それだけで終わらせたくない。
夏樹と過ごす時間は大切にはぐくみたい。
「そんな顔しなさんな。真緒も夏樹ちゃんも若いんだ。こんな年寄りの戯言なんて聞き流して自分たちの流れでやっていけばいいさ」